2008年07月01日

「300日問題」の解消は全て良しなのか

 いわゆる300日問題だが、
 増田総務相は27日午前の閣議後の記者会見で、民法772条の「300日規定」の影響で無戸籍となった子らを住民票に記載するための3基準を発表した。
(中略)
 基準は、〈1〉出生証明書などで日本国籍を有することが明らか〈2〉300日規定によって出生届を提出できず、戸籍に記載されていない〈3〉裁判所で強制認知の手続きなどを進めている――の三つだ。
[無戸籍の子に住民票、「日本国籍を持つ」など3条件発表 (読売新聞)]
で、前夫の了承がなくても戸籍を持つ事が可能になった。
 民法の規定が壁になって無戸籍となった子どもら5都府県の6人が1日、自らの戸籍を得るため、実の父親との親子関係の確認を求める調停(認知調停)を地元の家庭裁判所に一斉に申し立てた。
(中略)
 これまで戸籍をつくるためには、母親の前夫を相手に「親子関係が存在しないこと」を確認する調停が必要とされた。だが、前夫の協力を求めるのは困難で、利用しにくい。支援団体のNPO法人「親子法改正研究会」(大阪市)側が6月中旬、最高裁に問い合わせ、従来の調停以外に「実父相手の『認知調停』が可能」との回答を得た。
(中略)
 総務省は今月にも認知調停の申し立てなどを条件に、住民票を発行するという統一基準を自治体へ通知する。戸籍の前にまず住民票が取得できれば、行政サービスの格差は大幅に減らせる。
[asahi.com(朝日新聞社):実の親子関係確かめ無戸籍解消へ 認知調停一斉申し立て - 社会]
と、一気に無国籍問題が解決するが、「戸籍」と「モラル」から見れば、何も解決しているわけではない。対処療法に過ぎない事は明らかだ。

 戸籍制度は中国でつくられたものだが、日本以外で現存しているのは韓国と台湾だけであり、「欧米では」が好きな政治家の皆さんが、「改革」を口にしないのは違和感を感じる。戸籍制度は「管理」という意味では優れているが、かつての被差別部落の問題を含め「人を縛る」システムだ。住民票で運用するなり、望ましいシステムの議論をすべき時だと思う。

 一方でモラルと言う事で考えれば、もうすこし「我慢」できないのかという気もする。こういう事を言うと、離婚の調停に時間がかかるとか、前夫のDVがあるから、と言う事になるだろう。生物学的にも、金銭的にもいつでも子供を持つ事ができない以上、やむを得ないという人もいるだろう。しかし、婚姻という契約を結んだという責任が曖昧な気がしてならない。DV被害と言っても千差万別であるだろうし、前夫が全て加害者と言う論には疑問を感じる。もちろん、申請された人は人口比にすれば、ごく僅かであり、特例だという見方もできる。
 離婚後300日を経ないで出生した子どもは「非嫡出子」にすることはできず、(前)夫が父親としか出生届ができないことが今回の問題の発端になっている。今回確認された「認知調停」によって、女性の「自由度」は増す事になるが、婚姻制度を継ぎ接ぎで実情に合わすのではなく、本格的な改正が必要だと思う。

 憲法改正よりも、民法を本格的に見直す事の方が意味がある。
タグ:モラル 法律
posted by KENKOU at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | 更新情報をチェックする
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